森を守るために何が必要ですか。

「一方的に採るのではなく、自然の恵みをみんなで享受するという『分かち合い』の考え方が大事だと思います。

地域の自然を壊さず、コミュニティーがうまく機能し経済的にも自立していけるような、新しい仕組みを考えていくことが必要でしょう。

現代を生きる私たちの責任は、次世代に美しい地球に残していくことだと思います。そのためには一人ひとりの行動が大事です。

週3回、肉を食べていたら1回にするとか、国産品を買うようにするとか、また、長く使えるものを買うことでもいいですし、自然に優しくないものを極力排除していくことによって、環境に優しい社会になると思います。

環境に優しくない製品を買わなければ、企業も社会も変わっていくでしょう。そして、教育は大事だと思います。フィンランドでは小さいころから、自然に親しむ時間をとっています。

市民一人ひとりの行動によって、現状を変えていくことができると思います。

これまで、人は自然から奪うことばかりしてきました。古代の都市も自然や緑を排除していくことで、滅びていきました。

人間にとって自然や生物は無くてはならないものですが、今、自然にとって人間の存在は脅威でしかありません。

環境問題は言うまでもなく世界共通の問題です。日本には古くから多くの文化が融合し、『分かち合い』の精神が根付いていました。

そして、自然と協調してきた文化がありますが、それこそが世界に誇れるものだと思います。そういう面で日本が、世界をリードする国になって欲しいと思います。

オランウータンは生態系の頂点に生きる動物ですので、彼らが数を減らすことによる生態系への悪影響は図りしれません。

オランウータンがいなくなることは、人も生きられなくなるということです。

オランウータンを守ることは、地球を守ることなのです」


(ライター 橋本滋)





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