ボルネオの森で、 オランウータンが激減
森が消えることは、人類が滅ぶこと

ボルネオ オランウータン サバイバル ファウンデーション 日本
代表理事 宮崎林司さん
ボルネオ島では森林伐採が進み、森が急速に減っている。そして、そこで暮らすオランウータンは住みかを追われ、その生息数も100年前の8%にまで激減している。17年間にわたり、ボルネオでオランウータンを森に帰すための支援活動を行っているのが、ボルネオ オランウータン サバイバル ファウンデーション 日本(東京都西東京市)の宮崎林司氏である。ボルネオの現状とNPO活動について話を聞いた。 



以前はサラリーマンだったそうですが、なぜ、ボルネオでオランウータンの保護活動を行っているのですか。

「私が生まれ育った三重には豊かな森がありました。名前も林司ということで森や林に親しみがあったこともあり、三重大学に進んで林業を学びました。

周りの多くが公務員を目指す環境でしたが、卒業後は研究室の教授の勧めもあり、住友林業に就職しました。当時は高度成長期。日本に安い海外の木材が大量に輸入され、それと同時に東南アジアの森が消えていきました。

当時、私も伐採を進める立場の一人として、東南アジアに関わっていました。そんな折、訪れたボルネオの道路で偶然、一頭のオランウータンに出会ったのです。普段、森に暮らす彼らはそんなところに現れないのですが、逃げもせずにこちらをじっと見ていました。

その時、その目が『森を壊さないでください』と訴えているように思えたのです。そして、数年を経てボルネオを再び訪れ、オランウータンに出会ったのは、親からはぐれたオランウータンを保護し、森に返す活動を行っているリハビリ施設でした。

彼らを何も傷つけていない地元の住民が懸命に取り組んでいる姿を見て、自然を壊してきた自分こそが行動しなければいけないと思ったのが、この活動を始めたきっかけです。1989年に会社を辞め、NPOを立ち上げ活動を開始しました」






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宮崎林司氏
1946年、三重県生まれ。三重大学農学部林学科卒。住友林業株式会社在籍時、東南アジア森林調査、輸入業務、植林事業に携わる。株式会社ビーボコーポレーション代表取締役。アジア植林友好協会代表理事。HP

激減・分断化するボルネオオランウータンの分布

出典: "Treasure Island at Risk", 2005, WWF Germany



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