1万人の撮影プロジェクトで発信

――どんな活動を行っているのですか。

「マングローブ林の植樹は毎年実施し、継続しています。また、ツバルに住む子どもからお年寄りまで、国民1万人を撮影する『ツバルに生きる1万人の人類』プロジェクトを行っています。

そして、重要な活動が『飲料水の確保』です。ツバルはサンゴでできているため、雨水を貯めて飲料水にしています。しかし、最近は、エルニーニョの影響で雨が降らなくなり、2000年に干ばつにより深刻な被害を受けました。

海水を真水に変える装置がありますが、機械が高価な上、動かすのに大量の電気を使うので、発電量が限られるツバルには適していません。古い雨水タンクを修理したり、太陽熱を利用して水を作る仕組みを導入する計画も進めています。

また、一昔前まで必要なときに魚をとって暮らす生活でしたが、様々なものが外国から輸入され生活の欧米化が進み、人々の暮らしも大きく変化しています。

国土も狭いのでゴミも大問題です。現地の子ども向けにゲーム形式で、『ゴミ』に関する教育活動も行っています。

また、潮の流れを変えて砂を一カ所に集め、海抜10㍍の人口島を作る取り組みも行っています。現地の状況を知ってもらおうと定期的にエコツアーも主催しています」

――「ツバルに生きる1万人の人類」プロジェクトについて教えてください。

このプロジェクトは、ツバル全国民1万人の顔写真を撮影して、温暖化問題の啓発に役立てようと始めた取り組みで、現在、1500人の撮影を終えました。

想像していた以上に困難な作業で、なかなか思うように進んでいないのが現状です。島から島への移動に時間がかかること、また、都合がつかない人もいるからです。

加えて、35度を超える高温多湿な気候、また、現地で確保できる水が衛生的でないため、虫に刺されるなどして傷ができるとすぐに化膿し、なかなか治りません。

こうした環境なので、一気にやることもできません。また、ポーズや表情もパターン化してしまいますし、狭い国土で余暇なども限られていることもありコメントも似た感じになるので、どう違い表現していくか悩むところです(笑)。





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▲水タンクの補修を行う様子



▲ゴミ問題を啓蒙する塗り絵教材で遊ぶ子ども達