半農半Xに興味がある人にメッセージをお願いします。

「耕作放棄地は全国に多くあり、農業を始めることは難しくありませんが、天職探しは難しい。本格的に農業を始めなければダメなのかと思う人も多いのですが、ベランダのプランターで野菜を作るっていうのでも十分なのです。

自分のXを選ぶときは、『1万時間かけてください』と言っています。レイチェル・カーソンの言葉ですが、私は自然の神秘さや不思議さに気付く『センス・オブ・ワンダー』が大事だと考えています。

日本には古来、すべてのものは森羅万象につながるという考え方がありますが、自分のXであれ、人のXであれ、それが面白いことや宝物に気付く感性が大事です。

農に触れることで、こうした感性が磨かれ、自分が自然の中で生かされていることに気付くでしょう。人にはそれぞれ自分が面白いと思うこと、夢中になれることがあると思います。

自分では気がつかないかもしれませんが、他人から褒められることが向いていることが多いようです。優しさや聞き上手などもりっぱな得意。無理に自分の得意探しにこだわらなくてもいいと思います。

自分の住む街をよくしていくための活動や、NPO活動を行うなど人の得意をプロデュースすることだっていいのです。どんな人でもできるのが、半農半Ⅹのいいところです。

ある時、80代のおばあちやんから手紙が届き、そこに『私は半農半祈りです』と書かれていました。体があまり動かないけど、祈ることならできると。

多くの人が自分の天職を見つけ、活き活きとした日々を過ごせるようになっていただければ、これ以上に嬉しいことはありません。まずはご自宅のベランダのプランターで野菜を育ててみてはいかがでしょうか。ぜひ、気軽な気持ちで始めていただければと思います」


(ライター 橋本滋)





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