制服向上委員会 「ダッ!ダッ!脱・原発の歌」がネットで話題

福島の酪農家への応援プロジェクト/「げんぱつじこ夏季講習」開催

福島県飯館村・酪農家の長谷川氏 悲惨な現実を全国の人に伝えたい

「ダッ!ダッ!脱・原発の歌」はこちら


「ダッ!ダッ!脱・原発の歌」をリリース。福島の酪農家への応援イベントを開催

女子アイドルグループ「制服向上委員会」は8月15日、「ダッ!ダッ!脱・原発の歌」をリリース、これに先立ち公開されたYouTubeでは3日間で3万人が視聴するなど話題を呼んでいる。

ポップなメロディーながら、歌詞は「危ないことが起きてしまったのに嘘ついて。ただちに人体に影響はないなんてね」「もう忘れないから、原発推進派。安全だったらあなたが住めばいい。みんなに迷惑かけちゃって未熟な大人で恥ずかしいよね」と辛らつだ。

制服向上委員会は、ライブとボランティアを中心に行動するアイドルグループ。結成20年目を迎え、現在は9代目の小川杏奈さん(17歳)率いる13名で活動。これまで全国の児童養護施設や熱帯森林保護団体、アムネスティ・インターナショナルなどのキャンペーンに数多くボランティア参加している。

今回は原発事故で苦しむ福島の酪農家をサポートしようと8月10日、制服向上委員会プロデュースによる「げんぱつじこ夏季講習」が東京・日比谷野外音楽堂で開催された。未だ収束の見えない原発事故について、福島で酪農を営む長谷川健一氏が「福島で起きている事、これから起きる事」について語った。


福島・飯館村 原発ですべてを失った。今までやってきたことは何だったのか…、将来、結婚や妊娠が怖い…切実な声が明らかに

現在、避難指示区域に指定され住民全員が避難生活を余儀なくされている福島県飯館村で酪農家のリーダーを務める長谷川氏は、「牛乳は廃棄する以外なく、乳牛も屠畜するしかなかったが、私たちにとって牛は家族同然で泣くしかなかった。私たちは酪農以外なにもできない。このままの状態が続けば廃業する以外なく、今までやってきたことは何だっただろうと情けない気持ちでいっぱいだ。

飯館村は原発事故当初、国が指定する避難エリア半径20キロ圏外から外れていたが、高い放射線量が続いていた。しかし、全員避難する前日の4月11日、原子力安全委員会からえらい先生が村に来て、住民に『飯館村は安全だから安心して欲しい』と説明した。その翌日の避難勧告は、馬鹿にしていると思った。

何にも知らず、放射能を浴び続けた子どもたちはどうなるのか。女子高生たちからは『将来、結婚や妊娠が不安』という声を耳にする。また、隣の相馬市で『原発さえなければ』と遺書を残して自殺した酪農家は友人だった。役に立てなかった心残りはあるが、今はその気持ちを多くの人に伝えていくことが大事だと思っている。全国の人たちにこのことを知って欲しい」と語った。

「原発は人災。なぜ司法は動かない」ミュージシャンら怒りのメッセージ

この他、ジャーナリストの上杉隆氏、原子力資料情報室、湯川れい子氏らも原発の現状や今後の見通しについてそれぞれの立場からコメント。また、制服向上委員会「ダッ!ダッ!脱・原発の歌」が披露されたほか、頭脳警察のPANTA氏や中川五郎氏ら芸能関係者も参加。「原発事故は、史上最大で最低の事故。人災なのに、なぜ司法は動かないのか(PANTA氏)」と述べると、観客からは賛同する大きな声援が上がっていた。

制服向上委員会では、「ダッ!ダッ!脱・原発の歌」CD1枚につき300円を福島の酪農家に寄付することにしている。

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制服向上委員会/ダッ!ダッ!脱・原発の歌


講演した飯館村の酪農家・長谷川氏(左上)、ミュージシャンらも多数参加した