「環境を守ることと、経済発展は両立しない」というのが世界経済の

常識で、環境と経済の両立を目指す国は少ないらしい。

 

日本の省エネ技術は世界トップクラスを誇る。それなら、海外の温室効果ガスを

日本の技術で削減した分を、国内の温室効果ガス25%減に含めるべきとの

意見がある。日本の得意分野で貢献して、また、世界全体で温室効果ガスが減るの

だから、いいという意見はもっとものような気がする。

 

一方、国内では、企業やNGO、NPOが中心となって、環境活動への取り組みが

活発化している。そして、個人の環境への関心もかつてないほどの高まりを見せている。

4月、東京・渋谷で行われたアースデイのイベントには、若者、家族連れなど多くの人が

訪れ、たいへんなにぎわいを見せた。

 

この日、ツバルで1万人の島民の撮影に取り組む写真家の遠藤秀一さんの講演会

があった。かつて大手ゼネコンで大型公共工事に携わっていた同氏。「当時は

環境に無関心だった自分だが、危機的な状況を知ってこのままではいけないと思った。

大きなことはできないが、自分にできることをやろうと行動したことが、今につながっている」と

自らの行動に至った経緯を語った。

 

アースデイのイベントには、多数の小さな団体が参加した。その数400以上。

一つひとつ、一人ひとりの行動が、150万人が訪れる大イベントを創りだした。

 

ひるがえって、今の日本はフリーター問題、ワーキングプア問題など、未だ根本的

に解決されたわけではない。

ある経営者が、「これからの時代は、起業家が少人数規模の会社を創り、そうした会社が

増えて、雇用を生み出していく社会が望ましい」と言った。

 

環境問題は、実に多岐の分野にまたがるだけに、こんな考えは環境と経済の両立に

ぴったりくると思った。身近な小さな問題への気づき、行動から新しい活動の芽が生まれ、

それがビジネスに発展し、新しいパワーとなっていく社会が望ましいのではないだろうか。

 

一人ひとりの行動で、必ず社会は変わる。

今年で10年を迎えるアースデイのイベントを見て、そう感じた。

朝日新聞は11日、全国各地の近海で、魚などのすみかとなる

藻場が失われている現状を報じた。藻がほとんどない海底の様子の写真が

掲載されているが、魚などの姿はなくまさに「死の海」といった感じだ。

 

東京ドーム1700個分に相当する国内最大約800ヘクタールの藻場が

壊滅したのは、静岡県御前崎市などにまたがる駿河湾。

藻場がなくなる「磯焼け」という現象が初めて報告されたのは、

1985年ごろで、94年にはほぼ全滅したと記事は伝えている。

 

また、三重県尾鷲市の尾鷲湾でも1970年に磯焼けが始まり、

藻を増やすため、コンクリート製の藻礁を92年から17年間で

900個沈めていることも併せて紹介されている。その事業費は

10億円近くに上るという。

 

おもな原因は、水温が上昇し通常、冬は藻を食べない魚が食べて

しまうためと説明しているが、温暖化の影響はふだんのくらしの中では

見えない海の中で進行していることを示すものだけに深刻だ。

 

死んだ海はいずれ、海の中の生態系を変え、陸地にも大きな影響を及ぼして

いくだろう。生物が住めない地球へ一歩ずつ歩みを進めている前兆と言える

かもしれない。失ったものを、もとに戻すことはできないが、こうした現象を

早期に食い止めていくための対策が必要だ。

 

山と海はつながっており、海の自然環境を直すには、森を直さなければいけない

言われる。森の再生事業や海の再生事業など、光が当たらないところにも

力を入れるべきだ。

 

 

30日、政府は環境、健康、観光を軸にし、100兆円の需要を生み出す

成長戦略を発表した。

環境・エネルギー分野では前麻生政権の時とほぼ変わらず、新しいもの

としては、新エネルギーの電力固定買い取り制度が加わった。

 

新エネルギーの電力固定買い取り制度の拡充で50兆円の市場を創出し、

140万人の新規雇用につなげるとしている。

輸出など海外戦略は、従来の欧米中心からアジア中心にしていくことと

している。

環境分野では、スマートグリッド、太陽光パネル、これに伴う新たな設備などの

住宅周り、省エネ家電や機器装置が、有望な市場となりそうだ。

 

2020年までの国内総生産(GDP)の成長率を名目で平均3%と

しているが、「具体性に乏しく、成長戦略がないという民主党政策への

批判に対するその場しのぎの対策にすぎない」と各メディアは

実現は懐疑的との論調を示してしている。

 

 

「新植民地主義」。

世界食糧農業機関(FAO)」は2008年、中東の産油国や中国がアフリカの

農地を確保する争奪戦の激化をこんな言葉で表現した。

 

2008年、食糧自給率の低い韓国の民間企業は、将来の食糧不足を見越し

アフリカのマダカスカルの耕作可能地の半分を借りる契約を結んだ。

今年3月、これに反対しマダカスカルではクーデターが起こり、

一時内戦状態に突入し、大統領が退陣に追い込まれた。

 

これらの原因となったのは、2008年の食糧価格の高騰である。

今、世界では食糧や水を求めて争奪戦が繰り広げられている。

富裕層が金にもの言わせ、貧しい国をより困窮に陥れる

商取引は規制があってしかるべきだ。

早急な国際的なルールづくりが求められる。

 

 

 

直島正行経済産業大臣は26日のテレビ番組で、アジアを見据えた

環境ビジネスの政策を構想中として年内にも明らかにする考えを示した。

 

経済政策が内需喚起に偏っているのはないかの指摘に対し、「今後、日本は

アジアとの協力、ともにパートナーとして発展していかなければならない」とした上で、

「例えば、アジア諸国に所得倍増計画のような提言をしていってもいいだろう。

そのカギを握るのは『環境』。アメリカのグリーンニューディールのように、

日本はアジア版を作り、その中でリードしていく存在にならなければならない。

その大きな構想の中で、国はそれをあと押しする政策を立案していく」として、

来週早々にその構想を明らかにする考えを示した。

 

小売店などで不要になった衣料品の引き取りサービスが

盛んになっているが、8割以上が捨てられているのが現状だ。

そんな不要になった衣料品(綿)をバイオエタノールに変える

ビジネスを展開しているのが、日本環境設計という会社である。

 

Tシャツ一枚から70㍉㍑のバイオエタノールを作ることができ、

現状、捨てられている衣料品を、こうした処理を行うことで、

130万トンのCO2削減が可能という。

 

不用品として廃棄するというこれまでの流れを見直し、

温暖化対策、環型社会へと時代は進んでいる。

 

また、資源のない日本は、廃棄物の再利用や、エネルギーを

作り出す取り組みを進めていく必要があり、注目される技術と

なっていきそうだ。今後の展開が期待される。

 

 

 

全国の湖や池で大量に発生し、やっかいものとなっている藻だが、

バイオエネルギーとして利用できないかという研究が広がっている。

中でも注目されるのが「ボトリオコッカス」。太陽光を受けてCO2を

吸収し油を作りだす特性を持つ。

中でも沖縄産のものは乾燥重量の約45%の油を作りだすという。

 

石油を作る藻類の研究は米国で70年代後半から始まったが、

実用化されるには至らなかった。

ネックとなったのはコストだったが、温暖化問題が注目される中、

再び脚光を集めるようになった。

 

この「沖縄株」は筑波大学が中心になって研究を進めているが、

オランダやフランスなど、11カ国の研究チームが共同研究に乗り出す

といい、コスト問題など実用化に向け、研究を進める。

 

やっかいものの藻がエネルギーとして利用されれば、一石二鳥である。

さらに研究が進むことを望みたい。

 

 

 

 

 

COP15はあいまいな形で幕を閉じた。日本・EUは「先進国、途上国の明確な

数字目標を」、米国は「自主的な行動目標で」、中国・アフリカ諸国は

「先進国はさらなる目標数値を高めるべき」とそれぞれが主張し、

議論は平行線をたどった。

 

日本は高い目標数値を掲げているが、来年まで削減義務は先送りとなる。

日本だけが突出した数字を挙げれば、国際競争力が弱まるだけに

産業界では先延ばしを歓迎する向きもあるようだ。

 

それぞれの主張は通ったわけだが、それは同時に何も進展がなかったということ

でもある。

こうしている間にも温暖化は進んでいる。50年後、100年後、未来の子供たちに

美しい地球を残していくために行動するべきである。

国レベルでの目標という枠組みは成立しなかったが、温暖化対策への流れは

止まることはない。官民あげてより積極的に取り組んでいくべきだ。

 

 

 

19日、国連気候変動枠組み条約締約国会議は、2013年以降の地球温暖化

対策の骨格を示す「コペンハーゲン合意」がまとまらず、承認という形で閉幕した。

最後まで先進国と途上国の間で溝が埋まらず、「承認」という形で次に先送りする

ことで決裂を回避した。

「決裂」という最悪の事態は回避できたものの、温暖化対策としては不十分な

内容となった。

世界全体の削減目標については「大幅削減」という曖昧な表現にとどまり、

数字で示さなかった。一方、途上国支援では先進国が、来年から12年までに

年100億ドルを途上国に拠出する方向が決まった。

 

合意文書ができなかったことに不満は残るものの、世界が「温暖化をストップする」と

いう流れの中で世界が喧々諤々の議論を交わし、意見を集約したことに一定の

意味はあったと言えるだろう。このムーブメントがより大きくなるとともに、今後も一層、

対策が進むことが望まれる。

 

18日、国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)は非公式の首脳会議が

開かれ、政治合意を目指す「コペンハーゲン合意」の取りまとめる話し合いが

行われた。

 

議論の調整は難航しており、「気温上昇を2度以内に迎える」という長期目標、

途上国への資金援助など一部で合意されるが、先進国の排出総量の

削減義務、新興国の排出抑制の義務づけなどは盛り込まれない見通しだ。

焦点だった温室効果ガス排出の削減目標義務の義務づけは来年以降に

先送りされる。

 

北極や南極で氷が溶け、また、太平洋の島国は水没の危機に瀕している

今、対策に使える時間は少ない。

米国は石炭の主要産出国で、安価なエネルギーを使って電気を作っており、

これが大量の二酸化炭素を排出する原因となっている。

業界も大きく、雇用面で経済において、大きな影響を及ぼす温暖化ガスの削減

の数値目標の設定に容易に踏み込めない事情を抱えている。

また、中国は「国民1億5000万人はいまだ貧困。経済成長を進める」

として譲らない。

 

しかし、対策を怠れば、より大きな代償を払わなければならないということを強く認識

しなければならない。来年以降に延ばすことは、議論を先延ばしにするだけで、

より温暖化が進むことになる。

世界の温室効果ガスの半分を2国で排出する米国や中国は、その責任の大きさを

考えるべきだ。